見てきました。
結論から言うと、私はとても良かったと思います。
賛否あるようですが…
見るのをお勧めする人
見るのをお勧めしない人
- 混沌とした展開を楽しめない人
- 鳥が苦手な人
特に、鳥が苦手な人は見ない方がいいんじゃないかってくらい、鳥がリアルでした(私はそこが高評価ポイントですが)
以下、ちょっとした考察を書いているので、ネタバレしたくない人は以下見ないようにお願いいたします。
賛否が分かれる理由として「ストーリーが意味不明」であることが大きな要因のようなのですが、
個人的には「そういう混沌とした世界観を楽しむ映画」だと感じました。
後半、まったく違う世界に降り立った後なんて基本???でしたが、
「こういう不思議な世界が裏側にあって、そこでは今までの登場人物が全く違う姿・常識の中で生きているんだ」
っていうことを言いたいのだと理解しました。
あの設定をすべて理解しよう!とする方が間違っているような。
私は、大叔父様=宮崎駿 のように感じて、
今まで宮崎駿が作り上げてきたジブリという世界がもうすぐ崩れてしまうこと、
そのジブリを引き継ぐものは誰もいないこと。
それを描いているように感じました。
そのまんま受け取ると悲しいことだけど、美しくもある。
後継者として息子さんもいらっしゃるようなのですが、
おそらく、どんなに真似しても宮崎駿が作り出したジブリをそのまんま受け継ぐことはできない、
だから、あそこで眞人は継ぐのを拒否したのではないか、と感じたのです。
宮崎駿がいなくなったら、今後ジブリと同じような作品をもう求めないでくれというメッセージなのかなともとらえました。
最後、インコ大王が積み木を壊しちゃったことでパラレルワールドが崩壊したのですが、
あれは、宮崎駿自身が壊すでもなく、後継者(眞人)が壊すでもなく、
色々文句言いまくる我々一般人がジブリを壊した、ってことなんかな?と思ったんです。
「こんなのジブリじゃない」とか「ジブリらしさがなかった」とか、なぜか外野がやんや言うじゃないですか。それを表現してる気がしたのです。
インコ大王が「俺でも作れる!」的なことを言って積み木を積もうとして失敗するあたりも、なんか我々大衆を表している気がしてならないのです。
「君たちはどう生きるか」というタイトルの小説があるんですね実際。
なんとなくですが、宮崎駿を受け継ごうとしている人・引き継ぐ重圧を感じている人たちに対する、
「(俺のことはいいから)好きなように生きろ」
という宮崎駿からのメッセージなのかなと感じました。
え、考えすぎ?
一個、
ヒミ=お母さんだと知った時、
現実世界でお母さんが火事で亡くなったことと、ヒミがパラレルワールドで火を扱えることは何か関係があるじゃろう!と読んだのですが
特にそういったことを語られる様子はなく。
何か裏設定なかったんかな~~~~~~~気になります。
ストーリーも良かったですが、全体的に動きのリアルさにびっくりしました。
人間の動き、服の動く感じ、鳥たちの動き。実写をそのまま絵にしたのかな?と思うくらいでした。
めちゃくちゃ細かいんですが、序盤にナツコと眞人がお屋敷についた後、ナツコが重たいトランクケースをもって歩くシーンがあるんですけど、
あそこのトランクケースの動き・ナツコの歩き方がめちゃんこリアルだったんす。
すごい。
個人的にはインコがとてもシュールでかわいくて好きでした。
悪意ないピュアな顔で包丁振り回す感じがたまらない。
ただ鳥が苦手な人は見ない方がいいと思うなあ。動きリアルだから。
また「広告を全くしない戦法」で騒がれていましたが、
私は広告打たなくて正解だったのではと思っています。
受け入れる人を選ぶ作品だなと思ったので…w
でもこれ、宮崎駿監督の最後の作品になるんでしょうか。
そう思うと、本当に胸が熱くなりまして。
引退を撤回してまで作った作品ですよ。80歳超えてるんですよ。すごくないですか。
この作品をリアルタイムでみられてよかったなあ。
きっと後世で、「最後の宮崎駿作品」として語られるんだろうなあと思うとムネアツです。
迷ってる方、ストーリー難しいかもしれないのですが、
ジブリ好きならぜひ見てほしいです。
良かった・悪かったの感想がどうであれ、見る価値はあるかと思います!